トレーニング計画 · 漸進性過負荷

筋トレの重量はいつ増やす?漸進性過負荷の進め方

筋力や筋肉をつけたい。でも、次の重いダンベルに替えるタイミングがわからない。そんなときは、回数を増やす条件と重量を上げる条件を決めておくと迷いません。6回の練習例で、具体的な進め方を紹介します。

週ごとのワークアウトを確認できるLiftPalのトレーニングブロック

もう少しできそうだと感じたら

ローイングで何週間か同じ重量を使っていると、最初はきつかった8回のあとにも余裕が出てきます。そこで、予定した範囲内で回数を増やします。全セットで上限の回数まででき、決めた余力も残せたら、次の小さな重量差を試しましょう。

これが漸進性過負荷の進め方です。できることが増えるにつれて、練習の難しさも少しずつ上げます。進む速さは実際の出来次第。数回で次へ進むこともあれば、同じ重さをしばらく続けることもあります。

強くなるにつれて負荷も変えていく

最初はきつかった重さが、数週間後にはずっと楽に感じられることがあります。その時は、回数を増やしたり少し重くしたりすることで、今の力に合った負荷をかけられます。

どこを伸ばすかは目標によります。重いものを持ち上げたいなら、重量の増加が重要です。筋肉をつける目的では、回数を増やすことや、必要に応じてセットを足すことも選択肢になります。同じ回数をより安定したフォームと広い可動域でできるようになるのも、プレートを足す前に得られる進歩です。

可動域やテンポ、休憩も動きの難しさに関わります。一度に変える項目を絞り、ポーズを加えるなど種目を変えた時は別の名前で記録すると比べやすくなります。

回数と重量を順に増やすダブルプログレッション

ケーブルローを8〜12回、3セット行う例です。各セットは、同じフォームであと2回ほどできるところで終えます。この余裕が2 RIR、RPEでは8です。グリップ、器具の設定、約2分の休憩を揃えます。3セットとも余裕を残して12回できたら、次の重量を試します。

回数と重量を順に増やすダブルプログレッション
回重量セット1 / 2 / 3:回数(RIR)次にどうするか
140 kg10 (2) · 9 (2) · 8 (2)40 kgを維持し、設定した範囲で回数を増やす。
240 kg11 (2) · 10 (2) · 9 (2)40 kgを維持。まだ上限に届いたセットはない。
340 kg9 (2) · 8 (1) · 8 (1)今日は無理に増やさない。休憩とフォームを確かめ、必要なら残りのセットを軽くする。
440 kg12 (2) · 11 (2) · 10 (2)40 kgを維持。セット2と3には回数を増やす余地がある。
540 kg12 (2) · 12 (2) · 12 (2)次回は42.5 kgを試す。
642.5 kg9 (2) · 8 (2) · 8 (2)42.5 kgを維持。回数は範囲の下限近くに戻っている。

表は、セッションごとに回数が変化する一例です。3回目には、休憩が短かったことと睡眠不足が記録されています。その後のセッションと比べる際に、こうしたメモも確認しましょう。余力はセットごとに見積もり、決めた増量条件を満たしたら重量を上げます。

次のダンベルが一気に重くなるとき

片手10 kgから12 kgへの変更は小さく見えます。ただし、両手で行うダンベルプレスでは合計20 kgから24 kgへ、20%の増加です。目標の余裕を残すと回数の下限に届かないなら、その増加幅は今のルールには大きすぎます。

まずは同じ重量で、設定範囲内の回数を増やします。全セットが上限に達した後は、可変式ダンベルや器具に対応した小さな追加ウェイトが中間の重さを作れます。追加器具は対応する製品だけを使ってください。中間の重量がなければ、回数の範囲を少し高めに設定し直し、今の重さで続ける方法もあります。変更したルールは記録しておきましょう。

マシンと自重種目では比較する条件を揃える

マシンの重量表示は、その器具での目安です。滑車の比率や構造が違えば、同じ40 kgでも負荷の感じ方は変わります。器具、座面、グリップを記録し、器具を変えたときは適した重量を改めて探します。

加重しない腕立て伏せでは、まず回数を増やせます。ベンチに手をつく腕立て伏せが十分楽になったら、手を置く台を低くして少ない回数から始めます。高さを残し、新しいバリエーションは別に記録します。加重懸垂なら追加重量を少しずつ増やし、体重が大きく変わったときは体重も記録します。

RPEを成果ではなく比較の条件にする

100kgを5回という数字が同じでも、RPE 10と8では次に選ぶ内容が変わります。重量と回数にRPEを添えることで、同じ数字の中にある余裕の変化を確認できます。

たとえばデッドリフト100kg×5回が前週RPE 9、今週RPE 8だった場合、記録上は同じ仕事量でも主観的な余裕が違います。逆に重量を増やしてもRPEが予定範囲を大きく超えたなら、次回は維持や調整も選択肢になります。

RPEは自動的な増減命令ではありません。LiftPalの履歴で直近の同じ種目を開き、重量、回数、RPE、セット数がどのように並んでいるかを確認してから、次の小さな変更を一つ選びます。

同じ重量から進めないとき

3回続けて同じダンベルだと、停滞した気がするかもしれません。その日の様子を思い出してみましょう。休憩が短かった、種目の順番が後だった、寝不足だった。計画全体を変える前に、きつかった理由が見えてくることもあります。

同じ8回でも余裕が増えていれば、それも前進です。本当に何も楽にならないなら、休憩を延ばす、重量の増加幅を小さくする、いつも疲れているなら補助種目を減らすなど、合いそうな変更を一つ試しましょう。

  • グリップ、動かす範囲、種目の順番、休憩は同じですか。直前の種目がきつくなれば、比較する条件も変わります。
  • 予定した重量の増加幅は実行できる大きさでしたか。刻みを小さくするだけで続けられる場合があります。
  • 複数のセットや種目が同時に落ちていますか。睡眠、日常の負担、トレーニング量が今の生活に合っているかを確認します。
  • 同じ回数をより余裕を持って、または安定したフォームでできていますか。重量が同じでも、それは改善です。

その後、休憩を延ばす、重量の刻みを小さくするなど、1点を変えて次の数回を観察します。全体の疲労から回復しにくいなら、一時的にセット数を減らす選択もあります。痛みや普段と違う症状は別に対処すべきもので、負荷の計算だけでは説明できません。

増やすタイミングを一文で決める

このローイングの例なら、「3セットとも12回できて、各セットにあと2回の余裕があれば、次の小さな重量アップを試す。それまでは同じ重さを使う」と決めておきます。トレーニング前から、何を目指すかが明確になります。

回数がまだ足りなければ、重さはそのままです。何回か続けて下限の回数に届かない、またはフォームが大きく崩れるなら、一段軽くして何が変わったかを振り返ります。4〜8週間の記録を見ると、この進め方で伸びているか、次の練習までに回復できているかがわかります。

自分の記録から次のセットを考える

プログレッションプランナーに直近のセット、回数の範囲、残せた回数を入力します。選んだルールに沿って、回数を増やすか、重量を維持するか、少し重くするかを確認できます。

次のトレーニングで判断を振り返る

LiftPalの無料ログに、セットごとの重量、回数、RPEを保存できます。履歴で前回できたことを確認でき、トレーニング中のコーチ提案は採用するか断るかを選べます。Premiumでは編集できるトレーニングブロックや詳しいコーチ分析も使えます。

出典

参考資料

以下の研究は重量と回数の増やし方、残せる回数の見積もりを扱っています。6回のトレーニング例と判断の手順は実践例であり、これらの研究で検証された手順そのものではありません。

  1. 1. ランダム化試験2022

    Progressive overload without progressing load? The effects of load or repetition progression on muscular adaptations

    Plotkin et al. · PeerJ

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  2. 2. ランダム化試験2019

    Resistance Training Volume Enhances Muscle Hypertrophy but Not Strength in Trained Men

    Schoenfeld et al. · Medicine & Science in Sports & Exercise

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  3. 3. 測定研究2021

    Proximity to Failure and Total Repetitions Performed in a Set Influences Accuracy of Intraset Repetitions in Reserve-Based Rating of Perceived Exertion

    Zourdos et al. · Journal of Strength and Conditioning Research

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  4. 4. 測定研究2020

    Estimating Repetitions in Reserve in Four Commonly Used Resistance Exercises

    Hughes, Peiffer & Scott · Journal of Strength and Conditioning Research

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  5. 5. システマティックレビュー2026

    Resistance Training Prescription for Muscle Function, Hypertrophy, and Physical Performance in Healthy Adults: An Overview of Reviews

    Currier et al. · American College of Sports Medicine · Medicine & Science in Sports & Exercise

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